2011.11.01

子育てに省略はない
─ 向き合う程、関わる程愛おしくなるもの ─

(社)全埼玉私立幼稚園連合会会長 平原 隆秀

 
 3月11日に発生した大地震から8ヶ月程が経ちますが、今なお被災された方々の、苦しみや悲しみは解消されてはいません。同じ日本人として、私たちは常に心を寄せ合い、助け合っていく気持ちをこれからも忘れてはならないと思います。
それぞれの立場でできることは異なりますが、被災地の復旧・復興と幼稚園の再開のため、義捐金の呼びかけなど、引き続き進めていきたいと思います。今後ともご理解とご協力をお願いいたします。
 さて、幼児教育センターでは日々電話相談を行っております。子育て中のお母さん方を中心に、相談が寄せられます。子どもの成長や発達に関すること、友だち関係のこと、家庭内のこと等々多岐にわたります。
 
時には、「登園前に強く叱ってしまい、今、とても後悔しています。帰ってきたら何も言わないで抱きしめてあげます」と涙ながらに、話されるお母さんもいらっしゃいます。
 

皆さんも同じような経験があるかと思います。向き合えば向き合うほど、関われば関わるほどに心配事や、悩み事、そして反省することも多くなっていくようです。

 
 「あんたが、あんたのバラの花をとても大切に思っているのはね、そのバラのために、ひまつぶししたからだよ。(星の王子さまより)」どのバラの花も皆同じように咲いているのに、毎日水をあげ、害虫を取り除き、成長を見守ってきたバラの花だけは特別であり、私にとってかけがえのない存在なのです。
 
面倒を見た分、関わった分、いつも心配した分、愛おしさも百倍なのです。素直だから、勉強ができるから、愛おしいのではなく、私たちが精一杯の愛情を注いで育ててきた存在だからこそ愛おしいのです。
 
 子育てフォーラムの後、あるお母さんからいただいた感想文(概要)です。「今が一番大変な時ね、とよく友人たちと会話をするのですが、ある女性に今が一番幸せな時ね。うらやましいわ。と言われ涙が出た。それ以来この言葉が子育ての支えになっている」という内容のものがありました。
 
人の心を動かすようなお話をされた女性はとても素晴らしい方だと思いました。同時に、他人の話に耳を傾け、感動し、自分の子育てに活かそうとするこのお母さんの姿勢こそ人として素晴らしいと感じました。
 

 子育ては親育て、大人になっても続く学びや感動から、親心も確実に変容していくものです。私たちを一人前の大人として導き、育ててくれるのは、ほかでもない「我が子」の存在なのです。

 
負うた子に教えられ浅瀬を渡る